『裸足になって』感想

北アフリカのイスラム国家、アルジェリア。
内戦の傷が癒えきらぬ不安定な社会の中でバレエダンサーになることを夢見るフーリアは、貧しくもささやかな生活を送っていた。しかしある夜、男に階段から突き落とされ大怪我を負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。すべてを失い、死んだも同然の抜け殻となったフーリア。
そんな失意の中、彼女がリハビリ施設で出会ったのは、それぞれ心に傷を抱えたろう者の女性たちだった。「あなたダンサーなのね。わたしたちにダンスを教えて」その一言から始まったダンス教室で、また再び“生きる”情熱を取り戻していく―。

裸足になって公式サイト

予告

感想

厳しすぎる現実でも救いや光が見える

アルジェリアの状況は多少確認してから観に行ったのだけれど、思った以上に厳しい現実でした。

日本で暮らす自分は、なんでこんなところから逃げてしまわないのかと思ってしまうのだけれど、そこで生まれて暮らすフーリアたちにとっては当たり前にそこが自分の居場所なのでしょう。だから、目をそむけたくなる数々もあるけれども、その中でも楽しい幸せな時間も普通にたくさんあるんですよね。そして、皆が一つずつ、少しずつ、乗り越えて、生きていく。
いやでもね、こんなおかしな現実なんてあったらやはりいけないんですよ、乗り越えて生きていくなんてこと、考えなくてよい世界になってほしい。そんな世界にしなくちゃいけないんですよね。

フーリアは最初のころ、ダンスは好きで打ち込んでいるのだけれど、なにか人ごとな感じがしていました。事件を経てからはバレエダンサーとしての夢は諦めることになったかもしれないけれども、自分の意志で自分が伝えたいものを表現するダンサー（振付師、演出家等々も含め）になっていくようです。

リハビリ施設のこれまた様々なものを抱えている女性たちが、ダンスを通じてみるみるうちに生き生きとしてくるのがなんとも印象的。なんといってもハリマがどんどんと美しくなっていくのは見事でした。

そして女性たちの物語ではあるのだけれど、実は闘羊の胴元おじさんや、近所の青年たちなど、フーリアを守って慈しんでくれる男の人たちもいました。だから少しずつこれからよくなっていく希望を持ちたいと思います。

光の表現が面白い

ゴーストなのかな、昼のシーンも夜のシーンも光の反射（ゴースト）を敢えて出現させ不安感を出しているようでした。終わりのころには画面にゴーストはなかったように思いますね。

監督と製作総指揮

監督のムニア・メドゥールはフーリア役のリナ・クードリ主演で撮った『パピチャ　未来へのランウェイ』でセザール賞の新人作品賞を受賞。『パピチャ』は内戦下のアルジェリアを舞台にしていました。『裸足になって』は現在のアルジェリアが舞台です。監督は「ドキュメンタリー作品出身だからかもしれませんが、ぼかすような描き方ではなく、正確な形ではっきりと描き出すということにいつもこだわっています」（出典：Numeroインタビュー）とのこと。確かにそうでしたね。ちなみに女性弁護士の姿はかなり辛かったです（結局どうなったのだろう）。
『Coda コーダ あいのうた』（4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる少女には歌の才能があり、名門音楽大学の受験を強く勧められるが…）でアカデミー助演男優賞を受賞したろう者の俳優トロイ・コッツァーが製作総指揮。『コーダ』はフランスの『エール！』の英語版リメイクなのですが、どちらもずっと気になりつつ観られていません。

花椿の試写会＆トークイベント

花椿23年号とコラボした試写会＆トークイベントでした。試写会後はダンサーで映画監督でもある吉開菜央さんと、資生堂ファッションディレクターの呉佳子さんのトークイベントがあり、ダンサー視点からの映画の解釈や感想が聞けて面白かったです。詳しくは当日のレポートが花椿サイトにあります。

花椿は資生堂の企業文化誌。私はエリクシールの基礎化粧品や洗顔料、ローラメルシエを愛用中で、オンラインショップであるワタシプラスはいつでも送料無料かつ発送が早いので、ちょっとした買い物も便利なんです。とかいいつつ、当日仕事がバタバタしている中暑くてかなりヘロヘロ、なんと口紅塗るのも忘れてしまって、まるですっぴん顔じゃん！と、ひえー、資生堂イベントだったのに恥ずかしい（苦笑）
お詫びに？あえてご紹介したいお気に入り商品を紹介しておきます！

• SHISEIDO メーキャップ 　ＨＡＳＵ　ＦＵＤＥ　ファンデーション　ブラシ
  リキッドもパウダーも使えるファンデーションブラシですが、私はパウダーファンデをこれでくるくる磨きこむのがお気に入りです。
• ローラ メルシエ　シークレット　カモフラージュ　ブライト　アンド　コレクト　デュオ
  クマ用とシミ用がセットになったコンシーラー。持ち運びしやすく使いやすいです。色がたくさんあるので、お店で確認を。
• ローラ メルシエ　ブラッシュ　カラー　インフュージョン
  チャイとウォーターメロンを愛用中。こちらも小ぶりで持ち運びしやすいです。次はローズグロウコレクションが欲しいです。
• エリクシール シュペリエル　リフトモイスト　ローション　ディスペンサー　ＳＰ
  ディスペンサーは超便利。これを買ってから化粧水難民していたのがエリクシールに固定化されました(笑)

上映場所他情報はこちら！

映画『裸足になって』公式サイト

夢と声を失った少女がダンスを通じて生きる力を取り戻す アルジェリアの大自然で呼吸する命がきらめく再生の物語

gaga.ne.jp