- 観覧日：2023年6月7日（日）夜公演
- 会場：世田谷パブリックシアター
3階サイドブロック - 公式サイト：ART
- 作：ヤスミナ・レザ 翻訳：岩切正一郎 演出：小川絵梨子
- 出演：マルク（イッセー尾形）、セルジュ（小日向文世）、イヴァン（大泉洋）
フランスの劇作家ヤスミナ・レザの代表作で35言語以上に翻訳され世界中で上演されている『ART』を小川絵梨子演出にて舞台化。当初は2020年3、4月に予定されていたがコロナで中止となってしまったため、3年ぶりに再度舞台化されました。
マルク、セルジュ、イヴァンは15年来の大親友。ある日、セルジュが現代アートの高い絵を買ってきた。皮膚科の医師で現代アートが趣味のセルジュにとっては、やっと手に入れた自慢の作品。白い背景に白い線が斜めに入っただけの絵。ところが一緒に喜んでくれると思ったマルクは不思議な顔をするばかり。そんな二人の会話には妙なすれ違いが生まれ･･･。
一方、結婚を間近に控えるイヴァンにとってもこの友達関係は何よりも大事。結果、三人はお互いの関係を何とかしようとするが、一生懸命になればなるほど、会話はおかしな方向にズレていく。エスカレートしていくうちに実はお互いに相手に求めていることが全く違っていたことに気付く三人。それでも関係を修復しようとするが、事態は思わぬ方向に。
これは果たして喜劇か、それとも悲劇か･･･。
出典：ART
感想
ヤスミナ・レザは1959年生まれのフランスの劇作家、女優、映画監督もし、小説も書いています。モリエール賞、ローレンス・オリビエ賞、トニー賞など錚々たる受賞歴有。
ロマン・ポランスキーとも旧知の仲で、戯曲『大人は、かく戦えり』を共同脚本したロマン・ポランスキー監督の映画『おとなのけんか』もあります。
『大人は、かく戦えり』も『ART』もちょっとテイストが似ている気はしますね。
フランスですねえ
フランスだなあというお話です（あ、でもニューヨークとかもこういうイメージかも？）。
「ノンストップコメディ」というキャッチコピーの印象とはかなり違うブラックですね。
そもそも古いものから現代アートまでの趣味の対立だったり（アーチストの名前とかは架空？ちょっとわからず）、セネカ（小セネカのほうでしたな）読んだ？（だっけ？）とか、脱構築！だったり、レメディたくさん飲むだったり（なんか単語は違う言葉使ってたような）、観てから時間がたってしまったので細かい言葉は覚えてないんですが、うん、こういう人たち居るよねえって、そういうところに笑えないと面白さ半減な気はします。で、イヴァンにはまだ救いが？と思ったら、やっぱり高いカウンセリング行ってるし。
基本あまり自己投影できない人たちでしたが、マルクの奥さんのタバコ吸う人への態度はもう！ある！わかる！私も大嫌い！でした。で、私もここが好きここが嫌いがあるわけで、この人たちもこれは好きこれは嫌いって、そんなのね、多分傍から見たら全部一緒なんですよ、きっと。だからしょうがないしだから友だちなんだけど、でちゃったんだよねえ、15年来だからね。とはいえ、まあ身内のことを攻撃しちゃいけないよとは思います（笑）
＃『悲劇喜劇』に載っていた脚本を読んでみました。文字で読むともっとさらっと読めてかつ分かりやすいところがありつつ、実際の舞台の濃さを改めて感じました。また時間を取って追記したいところです。
大泉洋さんの長台詞が話題になっていて、youtubeにもゲネプロの様子が上がっていますが、これ、まだまだ続きます。それを聞いているイッセー尾形さんと小日向文世さんのやる気のないシラーッとした態度が、いざ本番の舞台の流れで見るととてもスムーズで大泉ファンでなくても飽きさせなかったですねえ。
全国回っていたから、私が観た東京公演からまた少しずつ変わっていているかもしれないですね。
舞台美術
舞台を回転させることで3人それぞれの部屋に変わる美術となっていました。３人芝居にちょうど良いサイズ感。
渦中となる白い絵画がどうなっているか見たくて、一生懸命オペラグラスで観たのですが、劇中にある通りに白いキャンバスに斜めに白い線が入っているようには見えなかったなあ。キャンバス画面が凸凹しているようなのは見えたのだけれど。そこはあえて描いてないのかしら。
私としては、なんとなく最初から最後まで落ち着かなさを感じる芝居でした。
東京会場は世田谷パブリックシアター
制作会社？の最速先行でA席（３階席）があったので、とってみたのですが、思いっきりサイド席で柵が舞台中央を突っ切るし、狭いしで残念でした。後方に人がいたので、柵がかからない位置に乗り出すこともできず。この席は売り止めにしてほしいな、もしくは金額を検討してほしいなというのが正直なところ。詳細は下記で…
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