PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』感想

三谷幸喜がやっと託したい俳優さんに出会えたと自ら演出して25年ぶりに再演

時は戦時色濃厚な昭和15年。
登場人物は、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさかむつお)と劇団「笑の大学」座付作家・椿一(つばきはじめ)。
非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。
警視庁の取調室を舞台に、相対する男二人のドラマが始まる。

笑の大学 | PARCO STAGE -パルコステージ-

三谷幸喜作品の大河ドラマでは、『真田丸』に出演した内野聖陽さん、『鎌倉殿の13人』に出た瀬戸康史さん。

内野さんはドラマ『JIN－仁－』や『臨場』最近では『きのう何食べた？』など、このところ何となくコスプレ役イメージでしたが、本人めちゃくちゃものすごくかっこいい男性ですよね。年齢ほとんど変わらないんだけど…こんなかっこいい人周りにいないよ…

瀬戸さんは仮面ライダー俳優ですね。若いころはあまり見ていなくてイメージがなく、『海月姫』『ルパンの娘』あたりから見始めたものの（映画版『海月姫』は現のんと菅田君だったりでインパクトが）、奥さんが山本美月（私の中では映画『銀魂』のメーテル）かあ、やたらきれいな男の子だなあという程度。しかしその後、『鎌倉殿の13人』もよかったですが、『霊媒探偵・城塚翡翠』の役柄が生理的にダメというか、すごーく嫌いだからドラマを見るのを途中でやめていたら、その私の印象は正解だったんだ！というのがわかりまして。なんと、これはいい俳優さんかもしれない！ということで、今回の舞台を見ることにしたのでした。

感想

二人の役者の息をつかせぬ7日間

内野さんは、普段のめちゃくちゃかっこいい姿とは全然違う、いい感じのおじさん感がさすがでした。最近この三枚目風味うまいですよね。多分ちょこちょこ噛んでるし、喜劇なんだけど、でもしっかり怖くなる。話的には流れがちょっと突飛なところもあった気がしますが、向坂役が内野さんでよかったと思います。ちなみに、ピーちゃん、ちゃんと持って帰ってくれて良かった。

最初はそんなに笑えなかったけど、どんどん笑えるようになってきて、最後は爆笑。この検閲の7日間で脚本がどんどん練られて面白くなってるってことですね。
へこたれずにいつも笑顔で自らの笑いを生み出す筆で舞台の実現のために戦う脚本家が、戦うのは検閲（向坂）だけではなく、そちらのほうがつらい状況でした。

芝居のセリフ一つ一つのやり取りは三谷節に笑わされ、まさに三谷さんが舞台でやりたいものであり、やりたい笑いというものなのか、客席も一体になってこの芝居ができることを観られることを楽しもう祝おう笑おうというとても気持ちの良い空間でした。

ラストがこれまでと違うみたいなので、以前の舞台や映画も気になります。

舞台美術や小道具や

劇場のホワイエに舞台のミニチュア模型が展示されていました。
取調室一部屋のみなのですが、遠近感のつくり方が面白く、広い舞台に立つのは二人でも余計な空間と思わせるような場所が全くありませんでした。

カーテンコールの最後には、奥のドアから手を振って帰っていくのも可愛かったです。

小道具の作りこみ具合も面白く、私が観たN列からも結構手元までよく見えまして。
手にもつ脚本には、ほんとに何か文字がびっしり書いてありましたよね。
鉛筆と消しゴムで毎日毎日書き直すのですが、朝まで書き直して翌日の検閲までに提出して、パソコンもコピー機もない時代にどうやって間に合わせるんだ、大変すぎる！とついつい余計なことを…原稿用紙をモチーフにしたノートもグッズで売っています。

ピーちゃんの鳥かご？は飯盒に見えたんだけど？

アフターコロナのうれしさ

放映予定

WOWOWでの放送決定

🏫#笑の大学🏫
6月に放送＆配信が決定🎉

三谷幸喜作の傑作二人芝居を自ら初演出！
ラストシーンも新たなNEWバージョンでお届け✨

📣#三谷幸喜 さん、#内野聖陽 さん、#瀬戸康史 さんのインタビューも到着

今すぐチェック▷https://t.co/CLnxWGe5IW#WOWOW pic.twitter.com/q5xmc7e8ka

— WOWOWステージ (@wowow_stage) April 21, 2023

東京会場はPARCO劇場でした

イープラスの先行抽選で。2020年3月にリニューアルオープンしたPARCO劇場。縁のある三谷作品ということもあってか、会場の皆さんのワクワクした空気がたまらなかったです。

会場情報の詳細は下記からどうぞ。