PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ラビット・ホール』感想

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基本情報
  • 観覧日:2023年4月14日(金)(山﨑光さん回)
  • 会場:PARCO劇場 F列中央
  • 公式サイト:ラビット・ホール
  • 作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー、翻訳:小田島創志、演出:藤田俊太郎
  • 出演:宮澤エマ、成河、土井ケイト、阿部顕嵐/山﨑光(ダブルキャスト)、シルビア・グラブ

4歳のひとり息子を亡くした若い夫婦ベッカとハウイー。息子は、飼い犬を追いかけて飛び出し、交通事故にあった。ふたりの悲しみへの向き合い方は真逆で、お互いの心の溝は広がるばかり。妻ベッカは、彼女を慰めようとする妹や母親の言動にもイラつき、深く傷ついていく。ある日、事故の車を運転していた高校生ジェイソンから会いたいと手紙が届く。それを読んだベッカは・・・・
 
悲しみの底から、人はどうやって希望の光を手繰り寄せるのか。人間の希望の本質とは何か。「ラビット・ホール」は、わたしたちの身の回りのありふれた風景や会話から、確かな希望の光を鮮やかに紡ぎ出します。

PARCO STAGE

ピューリッツァー賞を受賞したデヴィッド・リンゼイ=アベアーの戯曲(2005)。
アベアーが脚本を務め、ニコール・キッドマン製作・主演で映画化もされています(2010)。

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演出×役者×言葉

観に行くことにした決め手

チラシをもらった時から、ずーっとどうしようかなあと悩んでて、でも先行には手を出してなかったんだけど、一般発売始まって、インタビューやyoutubeを見ていたら、やっぱりこれは絶対観たい!となって、買っちゃいましたよチケット。パルコ劇場F列ど真ん中という素敵なお席がゲットできました。

主演の宮澤エマさん、成河さんはじめ役者さんたちが気になるうえに、上記の対談で演出家の藤田さんと成河さんの化学反応が面白そう、そして小田島さんの翻訳が気になったのが決め手です。

PARCO STAGE ラビット・ホール動画リスト

PARCO STAGEチャンネルでラビット・ホールの動画リストがまとめられています。

感想

なんだかすごく憧れの別世界だった2000年頃のニューヨーク郊外のおしゃれなお家のおしゃれな夫婦の家が舞台。その夫婦の小さな息子が事故で亡くなってしまってから8か月後から始まります。

2000年に30歳位?ってまさにな世代で。チルミュージックにアル・グリーンとか出てくきます(Let’s stay togetherはイントロ聞いただけで泣ける)。いまもチルミュージックってあるみたいで、今の東京はちょっとそんな感じなのかもしれない。
ペットフードはサイエンス・ダイエットで、被害者の会だとか、主婦の読書会だとか。一方妹イジーはミュージシャンの彼氏との子どもができるし、兄は麻薬中毒?で自殺。
ベッカ(主人公)はそんなおしゃれ世界への悪態つきつつ、それでもお菓子焼いて専業主婦してる。うーんでももしかしたら、その後変わるかも?変わらないかも?まあ少し処世がうまくできるようになるかもしれない。

いろいろな人がいていろいろな状況があっていろいろな考え方があって、だからいろいろぶつかるし、違和感があったり、うまくいかないところがあったり、でもそういうものなんだよなあ。ある家族の半年間?を追体験して覗いている感じでした。

母娘、姉妹という女3人に男1人というのが、女系家族な自分のうちを見ているようなのもあり(笑)母イジーがどうしてもイライラしがちだったベッカに「まーたあんたに怒られるかと」と言ういうのが、「ああ、これ、あるよね母娘」ってとっても身につまされまして。ほんと娘からすると母も面倒だけど、母にとっての娘というものは大変ですよね、すみません。でもそれって延々お互い様なので!

血の繋がらない家族にはハラハラしちゃいます。でも、血の繋がらない家族もやはり家族なのでした。

舞台セットとか言葉とか

台所からリビングの1階と大きな階段で2階(子供部屋)をつなぐ舞台セット。転換はないのに、始まりのボールのパーフェクトな動きからお部屋の移り変わりが時間の流れ(心の移り変わり)をわかりやすく見せてくれてよかったです。

足音の違いが効果的でついつい足元に注目していましたが、その履いている靴が可愛い!ベッカの履く白のローファーや、母ナットの履く色違いのニット素材?のヒールなしシューズがお気に入りでした。

「しゃべり言葉」の会話劇にこだわって、皆で練りに練った言葉とのこと。私は小田島創志さんの翻訳が気になったのもあったので、一緒にやっているみたいではありますが、小田島創志さんはどうだったんだろうなあというのが気になってしまいます。とはいえ、演劇慣れのしていない私にも全く違和感のない会話劇でした。

ちなみに映画の翻訳ではポケットの小石だったのを、brickだしもっと大きなレンガにしたのは、確かにそうなんですが、映画の訳の仕方もうまいとは思います。日本人の感覚だとレンガじゃポケットには絶対入らない印象だもの。brickもいろんなサイズがあるし、こういうのが日本語と英語の違いでしょうか、翻訳は言葉を作るんですよねえ。ちなみに私はベアブリックで子供のおもちゃを連想しました。日本語ではブリックというわけにはいかないから、小石っていうなら石ころもありかな?

アフタートーク

女性陣3人のアフタートークがありましたが、シルビア・グラブさんが毎日お客さんが増えて来るのが喜んでもらってるんだなと嬉しい的なこと言ってて、エマさんもお客さんの息づかいを感じるのが舞台の醍醐味と。

あと、M谷さんの感想から犬の「う○こ」か「う○ち」か話があったんだけど、女は「う○こ」で男は「う○ち」だと思うんだけどどうでしょ?(ま、私自身は犬の糞でもいいかとは思う口の悪さ)

終演後の出演者みなさんの笑顔もすごくよくて、いいカンパニーなんだろうなって思います。

東京会場はPARCO劇場でした

入口に演出の藤田さんが立っていて、めちゃ目ひきますけどー!関係ないのに思わず足早になってしまいました。(笑)

F列センターですごく良い席!
ただ、舞台広くて左右に端から端まで展開してるから、もう少し後ろの席でもいいかもです。
PARCO劇場はどの席からも頭が邪魔になったりすることなくとてもよく見えるので、H列くらいでいいかも。

バーではオリジナルドリンクと、月替わりビールは劇中で飲むビールとしても使われていたブルックリンラガーが。
注文するまでビールに気が付かなくてオリジナルドリンクを飲んだのですが、ブルックリンラガー美味しいんですよねえ~。知ってたら絶対飲んだのに!

会場情報の詳細は下記からどうぞ。

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