『ケンジトシ』感想

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シアタートラム入口
基本情報
  • 観覧日:2023年2月27日(月) 夜公演
  • 会場:シアタートラム 後方1番
  • 公式サイト:ケンジトシ
  • 作:北村想 演出:栗山民也
  • 出演:中村倫也 / 黒木華 / 山崎一 / 田中俊介 / 河内大和 / 野坂弘 / 依田朋子 / 徳高真奈美(ヴィオラ演奏)
  • 企画・製作:シス・カンパニー

コロナで中止になった公演が、2023年冬に改めて上演。
シス・カンパニープロデュース、北村 想さんの戯曲を、栗山民也さんが演出、主演には中村倫也さん、黒木華さんです。

こちらはSISチャンネルから紹介動画。

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感想

賢治と妹トシ子の関係をベースに、宮沢賢治の世界を紡ぎだす北村想の世界

パンフレット500円

コロナで中止になった時から、待ち望んでいた人も多かったのでしょう、小劇場ですし、チケットはかなり争奪戦だったようです。
私は先行抽選でとれてよかったです。

当日の会場ではキャンセル待ちの列もあり、当日券に両サイドの立ち見とほんとに満員!でした。

時間軸が前後するので、そのあたりをリアルに?真剣に考えようとわかりにくくなるかも。それよりも、フィクションなのだから、全体を通して、ケンジトシの世界をいろいろな情景や賢治の詩や話をモチーフに感じていけばいいのかなと思いました。
ヴィオラの音色とコロスの3人、背景の映像の浮遊感と、よくよく作りこまれた舞台でした(あまりの浮遊感にちょっとだけ眠くなったところがあったのはごめんなさい!)。

さて、私は高校のころ倫理でインド哲学から鎌倉新仏教まで一通りやっていたので(先生がイン哲出身だった)、基本的なブッダ仏教周りは気軽に見られたし、ほうほうと面白かったけれど、法華経や日蓮主義のあたりはさらっと流されていたのでちょっとあやふや。法華経つながりでストーリーテラーのように出てくる石原莞爾もあまりわからないのだけれど(軍事思想家ですね。マヌエラの時代ともかぶります)、とりあえず山崎一さんの安定感安心感素晴らしかったです。

宮沢賢治作品は読んでおくとさらに面白い

賢治の詩や小説は昔読んだきりうろ覚えだったりもしたので、もっと読んでいけばより面白かっただろうなと思います。
直前にチェックしていったのは、トシが出てくる『春と修羅』の青森挽歌と永訣の朝。読んでいてよかった!と思いました。
これから観る方はパンフレットに関連作品として紹介されているものは読んでおくと、ああ、ここをこういうふうに使うのか、と面白いかもしれません。あと、もちろん銀河鉄道の夜もね!

  • 東岩手火山(春と修羅より)
  • 雨ニモマケズ
  • 月夜のでんしんばしら
  • 青森晩歌(春と修羅より)
  • 詩ノート一〇七一「わたくしどもは」
  • 虔十公園林
  • 永訣の朝(春と修羅より)
  • グスコーブドリの伝記
  • ひかりの素足
  • 雪渡り
  • やまなし
  • マリヴロンと少女

会場のみなさんが号泣してしまうシーンでは、みなさんの泣き声がうるさいくらい(笑)
このあとすぐにまた演技に戻る役者さんはすごいなあと思いました。いや、目がパンパンになっちゃうでしょ。

戯曲を読んでみました

作者の北村想さんは、「コロスは古代ギリシア劇の合唱隊のことだが、ここでは[群読]のひとびとを示す。」と書いていました。これだけみると人間かと思うのですが、この舞台では賢治の作品に出てきそうないきものたちに。viola奏者もviolaのsoloとのことで、指定があり、戯曲のイメージを作る北村さんの世界感の面白さに感心するとともに、それを舞台に作り上げる栗山民也さんの演出のすごさを改めて実感しました。舞台化されたほうがかなり感傷的なイメージだなと思います。

放映情報

WOWOWでの放送決定

会場

東京会場はシアタートラム

1番の席だったので(1番端は初めて)、どうなんだろうと思っていましたが、まーったく問題なし。
というより、舞台を対角線上に使う演出が何回かあるので、その時は、ケンジとトシの顔が正面から一直線に見えたりして、問題なしどころではなく逆に最高でした。何度か舞台を降りたところで演技する演出もあって、一番前の人とか、もうドキドキですねー。

会場情報の詳細は下記からどうぞ。

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